その六十七 松坂屋 名古屋店屋上に残る空襲の焼け跡!
#松坂屋ヒストリア小話 その六十七
1945年(昭和20)3月の名古屋大空襲で全焼した松坂屋名古屋店の屋上には今も焼け跡が残っている。
昭和19年(1944)7月サイパン島の陥落後本土空襲が本格化し、翌20年には空襲は激しさを加え日本の主要都市は半年もたたぬ間に焦土と化した。松坂屋名古屋店も同年3月19日の名古屋大空襲で、地下2階を残して全焼した。終戦直後の昭和20年(1945)9月から復旧工事を開始したが、資材難からとりあえず建物の焼け焦げたタイルをはがし、鉄骨の露出部分を直し、簡易塗装で一応完了というみじめな有様で営業を再開した。名古屋店建物の改修工事は最終的に昭和28年(1953)9月に完了し、華々しく全館改装記念大売出しを行なったが、被災した屋上機械室の建物の内部はそのままの状態で現在まで残されており、壁や天井には今でも一部に黒い煤が残ったまま悲惨な戦争の記憶をとどめている。(一般の方はご覧いただくことはできません)
屋上機械室焼け跡
空襲で炎上する名古屋店
焼け跡に立つ松坂屋名古屋店(昭和23年8月、画像提供名古屋タイムズアーカイブス委員会)