2022.03.22

セミナー動画&レポート 第85回 名大カフェ "Science, and Me" 「人と微生物とSDGs」

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セミナー動画&レポート 第85回 名大カフェ  "Science, and Me" 「人と微生物とSDGs」

2022年3月3日(木)に開催しました 名古屋大学との共催イベント 

名大カフェ〝Science, and Me"のセミナー動画&レポートをお届けします!

 

 

アーカイブ動画のご視聴は こちらからどうぞ↓↓

 

 

【今回の講師紹介】

 

蟹江 純一 氏(株式会社フレンドマイクローブ 代表取締役社長)

堀 克敏教授の研究室にて6年間微生物に関する研究に努め、その後、同教授が設立した名古屋大学ベンチャー、株式会社フレンドマイクローブに第一号社員として入社。主任研究員として新システムの開発等を行い、2021年同社代表取締役社長に就任。

 

堀 克敏 氏(名古屋大学大学院工学研究科教授)
東京工業大学大学院総合理工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。住友化学工業株式会社など民間企業研究員、東工大助手、名工大准教授を経て、2011年より現職。2017年名古屋大学発ベンチャー、株式会社フレンドマイクローブを設立。同社CSOを兼任

 

【セミナーレポート】

 

◾️株式会社フレンドマイクローブの立ち上げの経緯

堀先生の研究室では「人々の幸福や地球環境保全に貢献する研究を行い、人材を育成すること。生命の本質を明らかにし、世界平和に貢献すること」をミッションとされています。

 

株式会社フレンドマイクローブは、そんな堀先生が自身の研究成果を社会実装するために2017年に起業した名古屋大学発ベンチャーです。産業界のニーズから事業化がなされ、微生物と酵素によるSDGsの推進とあることが考えられ、バイオコントロールの理論と技術を確立されました。大学・大手企業・株式会社フレンドマイクローブの3つの連携による新しい産学連携体制として新技術・製品の開発を行い、社会実装を目指されています。

 

◾️人とマイクローブ(微生物)の歴史

生活をする中で、食糧を保存してそのままにして置くと、腐敗が起こります。この腐敗を防ぐにはどのようにしていけばよいか、この考えがマイクローブ活用の原点であると蟹江社長はいいます。「腐敗」はただ腐ってしまうだけですが、微生物を活用し発酵させることで、人類の利益に還元することができます。最古の発酵食品は8,000年前のワインといわれています。

 

現在も、私たちの身の回りには、微生物の力で成り立っている部分が多くあります。

落ち葉を集めて微生物を活用し腐葉土として撒くことで、栄養を含む土となります。水をきれいにする場合は、活性汚泥処理という微生物の力による浄化処理も行われています。そんな微生物は、オランダで開発された顕微鏡で17世紀に発見されたのが最初といわれています。それから研究が進み、今では薬剤にも活用されています。

 

◾️日本とマイクローブ(微生物)の歴史

特に日本は、微生物の力に恩恵を受けているといえます。例えば和食には、醤油や味噌、酢などの調味料をはじめ、発酵食品が必須といっても過言ではありません。また、野口英世博士や大村智博士など、歴史的な人物も微生物の研究に関わってきました。

 

昔から研究されている分野ですが、なぜ今、微生物なのでしょうか?

近年、解析技術の発達により、今まで分からなかった発見が増え、解析を通して微生物を知ることで活用できる幅も広がり、社会問題である「地球温暖化」の改善にもつながるのでは、と蟹江社長は考えています。

 

◾️マイクローブ(微生物)とSDGsの可能性

2030年までに持続可能で、よりよい世界を目指す国際目標「SDGs」17個あるSDGsの項目のうち、微生物はいくつ、貢献できる可能性があるでしょうか? 10個に可能性がある、と蟹江社長はいいます。


項目2「飢餓をゼロに」に関しては食べ物に関する微生物が貢献し、項目7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の場合は、バイオエネルギーとして貢献が可能というように、幅広い分野で可能性があります。

 

◾️マイクローブ(微生物)と株式会社フレンドマイクローブの未来
株式会社フレンドマイクローブは、大学の研究分野と、企業を開発の時点でつなぐ役割を担っています。

例えば、国家プロジェクトで発見された油脂を食べる微生物は、既存の微生物に比べて圧倒的に性能が高く、洗剤、工業用酵素、廃棄物処理などにも多大な可能性を秘めています。

 

今後の社会課題の多くを、微生物が解決してくれる時代が来るかもしれませんね。

 

--セミナー中のご質問に一部、答えます。--

 

油を食べる微生物はどんな脂でも分解できますか?
動植物油という括りで生物由来のものであれば、全て分解できるというのは確認できています。ただし、機械油など、石油油は構造が違う為、できないものがあります。

 

その他、Q&Aに関してはぜひ動画でご覧ください。

 


「名大カフェ〝Science, and Me"」とは?

名大期待の若手研究者をゲストに、「研究」というフィールドから見える世界や感動、異分野とのコラボレーションへの期待などをMCとのトーク形式で語ります。


名古屋大学×松坂屋名古屋 包括連携

松坂屋名古屋店は名古屋大学と2017年から包括連携協定を結び、「百貨店を通して豊かな文化を地域に還元する」取組を続けています


 

 

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