2024.01.30

その二十九 松坂屋初のPR誌は「衣道楽(きものどうらく)」!

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その二十九 松坂屋初のPR誌は「衣道楽(きものどうらく)」!

#松坂屋ヒストリア小話 その二十九

明治39年(1906年)松坂屋(いとう呉服店)初のPR誌「衣道楽(きものどうらく)」が発刊された。

 

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日露戦争直後の明治39年(1906年)、松坂屋の前身であるいとう呉服店は呉服の新柄・流行柄の紹介を目的としてPR誌『衣道楽(きものどうらく)』を創刊しました。A5判より少し大きめサイズで約100頁、定価は15銭でした。刊行の目的の一つは通信販売を促進することにありました。この年、郵便振替送金口座制度が新設されたため、読者は同誌に添付の指定振込用紙を使って、最寄りの郵便局で手数料なしで代金の支払いができるようになったのです。このPR誌の発刊は、単に販売促進の枠を超え、西欧文化の窓口として、あるいは日本人の芸術家たちの発表の場としての文化的機能も持ち、小説やエッセーなど幅広い話題を提供しました。その後明治43年(1910年)いとう呉服店が百貨店を開業した記念すべき年に、このPR誌は『モーラ』と改題され月刊誌となりました。デパートメントストアは百貨を「網羅」する意から、当時の伊藤祐民社長が名付けたもので、洒落たタイトルと評判になりました。内容も、小説、脚本、随筆、詩歌、名士の流行観など多彩で、体裁も冊子型、タブロイド判などを使い分けました。そして、この『モーラ』は、昭和10年(1935年)発刊の戦前の百貨店を代表するPR誌『新装』へと発展していきました。

 

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衣道楽創刊号(明治39年)

 

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いとう呉服店開店初日(明治43年)

 

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モーラ創刊号(明治43年)

 

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新装創刊号(昭和10年)

ショップ情報

ショップ名

松坂屋史料室(#松坂屋ヒストリア小話)

フロア
南館 7F
TEL
052-251-1111(代表)
営業時間
松坂屋名古屋店の営業時間に準じます
カテゴリー
その他

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