その六十一 零戦が帰ってきた!
#松坂屋ヒストリア小話 その六十一
1962年(昭和37)松坂屋名古屋店屋上に戦闘機「零戦」が帰ってきた!?1964年(昭和39)開催催事に、グァム島で発見、復元修理された零戦を展示した。名古屋店屋上は沢山のお客様で賑わった。
「零戦が帰ってきた」-これは1964年(昭和39)11月に松坂屋名古屋店で開かれた歴史的催事の一つ。「零戦」とは、第二次大戦中に活躍した日本海軍の戦闘機の名前だが、この催事で展示された零戦は、1957年(昭和37)2月にグァム島で発見された。翌年米軍から日本に返還された機体は、三菱重工と航空自衛隊の協力で復元修理され、1964年10月に完成した。零戦は日本人の英知と技術の結晶として三菱航空(現三菱重工名古屋航空機製作所の前身)で製作されたわが国の傑作機で、当時の人たちにとって憧れの飛行機でもあった。修理完成後の翌月11月24日から名古屋店屋上スカイランドで始まった催事には、20年ぶりに「里帰り」した名機の勇姿を一目みようと、たくさんのお客様が開店と同時に屋上に殺到し、会場は黒山の人だかりとなった。催事は当初は11月29日で終了の予定であったが、12月6日まで日延べをするほどの人気ぶりであった。
【零戦広告】中日新聞 夕刊1964.11.23