その二十 日本百貨店史上初の「土足入場」を断行!
#松坂屋ヒストリア小話 その二十
大正13年(1924年)松坂屋は銀座に新店舗をオープン、わが国の百貨店史上初の「土足入場」を断行した。
関東大震災後の百貨店復興のトップをきり、震災翌年の大正13年(1924年)に松坂屋は東京銀座に銀座初の百貨店である松坂屋銀座店を華々しくオープンしました。震災後1年3か月、ようやく復興の始まった銀座通りは震災の傷跡がまだ至る所に生々しく残っており、地上8階建ての銀座店は復興一番乗りの威容を誇っていました。そして銀座店は開店にあたり全館をわが国百貨店史上初の土足入場に踏み切ったのです。それまでの日本の百貨店には下足番がいて、来店客は靴や下駄などの履物(下足)を下足番に預けて履物札を受け取り入場する「下足預かり」というしくみであったため、当時の松坂屋の土足入場の開始は画期的な大英断だったといえます。翌大正14年5月に新築開店した松坂屋名古屋店、同年9月には松坂屋上野店でも土足入場を開始し、同業の百貨店も追随していきました。これが契機となり百貨店の大衆化が急速に進んでいったということです。
※松坂屋銀座店跡地には、2017年4月複合商業施設「GINZA SIX」がオープンし、今も国内外から多くのお客様を集めています。
銀座店開店広告(大正13年12月1日)
絵葉書に描かれた銀座店
銀座店店内の様子