その十一 松坂屋の「雛形本」コレクションは日本最大級!
#松坂屋ヒストリア小話 その十一
松坂屋が収集した江戸時代の貴重な「雛形本」はその数100種類以上と、日本最大級の文化財コレクションとなっています。
正徳ひな形(正徳三年 1713)
松坂屋コレクションというと、小袖や能装束などの時代衣裳のコレクションをイメージされる方が多いと思いますが、それだけではありません。衣裳以外に東洋・西洋の古代裂、能面や軸装などの調度品、雛形本などの所蔵品も多数含まれ、コレクション合計としては計1,500点を数えます。江戸時代のスタイルブックともいわれる雛形本は、木版刷りの冊子で小袖の背面図を中心に文様や技法、配色などが記されており、江戸時代の人たちがファッション誌として見て楽しむとともに、小袖や振袖などを誂えるときの見本帳としても用いられました。出版された総数については諸説ありますが、再販を含むと200種弱ともいわれています。松坂屋はその約半数を所蔵しており、コレクションとしては日本最大級を誇ります。
珍色 雛形都風俗(正徳六年1716)
当世雛形 艶筆八重葎(享保六年1721)