その九 社名から「呉服店」を外した最初の百貨店!
#松坂屋ヒストリア小話 その九
大正14年(1925年)いとう呉服店は「松坂屋」に社名を変更、商号から呉服店の名称を外した日本で最初の百貨店でした。
いとう呉服店は1910年(明治43年)の会社設立時にデパートメントストアを宣言し呉服店から百貨店事業に転換をはかりましたが、その後も近代的店舗や施設、商品内容の進歩拡充が進み、もはや呉服店という名称が時代にそぐわないものとなっていきました。そして1925年(大正14年)には名古屋、上野、銀座、大阪の全店舗の商号を「松坂屋」に統一しました。当時いとう呉服店という名称には300年の伝統があり、とりわけ名古屋市民には「いとうさん」と呼ばれ親しまれた店名でしたが、百貨店にふさわしく名称を統一。当時わが国の大手百貨店はすべて「呉服店」という名称を社名に入れていましたが、松坂屋は他社に先駆け、名実ともに日本で最初の百貨店へと脱皮を遂げたのです。その後2007年にJ.フロントリテイリングとして新しいスタートを切った松坂屋、次は百貨店以外の事業分野にもウイングを広げ、日本を代表するマルチリテイラーへの道を歩み始めています。
南大津通に移転した名古屋店
商号を「松坂屋」に統一(ポスター)