その七 「松坂屋」の社名の由来は伊藤屋が買収した江戸の呉服店の屋号!?
#松坂屋ヒストリア小話 その七
「松坂屋」の社名の由来は、創業家の伊藤屋が1768年江戸に進出したときに買収した上野の呉服屋の店名だった。
「安政元年上野店外郭図」(円志)
1768年(明和5年)4月、名古屋の伊藤屋は、江戸・上野広小路の呉服店であった松坂屋を買収し、念願の江戸進出を果たしました。買収が成立すると、屋号は長年にわたり江戸市民に親しまれた松坂屋名を存続し「いとう松坂屋」として地域密着経営を展開したこともあり、上野店はめざましい繁盛ぶりであったとのことです。伊藤屋は1910年(明治43年)に「株式会社いとう呉服店」を創立し百貨店に転業しました。その後、国内では洋装が主流となり、呉服店という名称が時代にそぐわないものとなったため、1925年(大正14年)には名古屋、上野、銀座、大阪の全店の商号を松坂屋に統一し「株式会社松坂屋」が誕生することになったのです。