新たにオープンしたセレクトショップの橋爪店長に聞く、 “好き”と仕事
みなさんは日頃どこで洋服を買いますか?
ネットにも店舗にもそれぞれの良さがありますが、両方のいいとこどりができたら素敵だと思いませんか?
今回取材させていただいたのは、2025年4月29日、本館5階に新しくオープンしたお店「ONWARD CROSSET SELECT(オンワード クローゼット セレクト)」で店長を務める、橋爪 亜香子(はしづめ あかね)さん。
この記事では、2006年から松坂屋で19年間勤務し、子育ても経験された橋爪さんへのインタビューを通して、お店の魅力や仕事内容をご紹介します。
こんにちは。
名古屋大学の「むーる」です。
この企画では、愛知の学生が松坂屋名古屋店のアンバサダーとして広報に就任し、働く人々の声を通じて、学生ならではの視点で松坂屋の魅力を発信していきます。
About ONWARD CROSSET SELECT 松坂屋名古屋店
—— オンワード クローゼット セレクトとはどんなショップでしょうか?
橋爪さん:
「オンワード クローゼット セレクト」は、常設ブランドの「23区」「自由区」「J.PRESS レディース」と、不定期でオンワードブランドのポップアップを展開するセレクトショップです。一つのショップの中でさまざまなブランドの商品を提案できるのが特徴です。
また、“クリック&トライ”という、気になる商品をオンラインサイトで選び、店舗で試着できるサービスを実施していて、店舗とECの「良いとこ取り」が出来るとして人気を集めています。気軽にお試しいただくだけでも大丈夫なんですよ。
僕もよくオンラインショッピングを利用するのですが、気軽に試すだけでもいいという安心感や、ネットが入り口になって訪問しようと思えるのは大きなメリットですね!
橋爪さん:
はい。クリック&トライは、月に100件ほど利用されていて、ほぼ毎日、試着用の商品が店舗に届いています。売上の10%を目標に、認知度の向上を目指しています。
——ショップの中にポップアップスペースがあるとのことですが、お店はどうやって決まっているのですか?
橋爪さん:
インターネットでしか買えない商品や、小さいサイズ・大きいサイズの商品だけを集めたり、普段は手に取れないような商品を扱うことが多いです。選択肢が広がるようなイメージです。
複数のブランドを扱うことで選択肢を増やすことができ、よりイメージしているものに近い商品に出会えることは、消費者にとって大きなメリットですね。
一方で、複数のブランドを扱うことには苦労もあるそう。
橋爪さん:
常設ブランドが3つになることで、商品管理や情報共有、商品知識などもすべて3倍大変になります。それはもう、本当に大変です。いろいろなブランドをお店で試せることで、普段は来店されないような方にもご来店いただけたり「週末近所に行くから、ここの店舗を試着先に選んで行ってみよう」と、リピートしてくださる方も増えてきてます。新しい楽しみ方を、ちょっとずつ広めていきたいです。
About Staff Members
橋爪さん:
ショップメンバーは、ファッションスタイリスト17名、ストック担当3名の総勢20名で構成されています。
ウェブサイトへのコーディネート投稿やお客様との連絡、店頭のレイアウトづくり、その他の付帯業務などを分担しながら、日々の業務に取り組んでいるそう。各ブランドにも担当が割り振られているとのことですが、メンバーさんへ指示するだけでも大変そう。
——店長という立場で仕事をするにあたって心掛けていることはありますか?
橋爪さん:
ゴールまでの道筋を立て、みんなに同じように伝えることを意識しています。言葉の受け取り方は人それぞれなので、「こうだから、こうしてほしい」というように、お願いする理由や意味を伝えるように心がけています。
また橋爪さんは、メンバーひとりひとりをよく観察して、それぞれ良いところを誰よりもよく知っているそう。
橋爪さん:
ひとりひとりの魅力(強み)がお店の成長につながると思っているので、魅力探しを常に心がけて、その魅力が活かせる機会を作るようにしています。
現状でできていると思わず、常に試行錯誤を重ねています。実際にやるのはみんななので、みんなの意見を吸い上げて、みんながやりやすいようにする。私はあくまでもサポート役という認識でいます。
About Her Career
子育てをしながら、幼い頃から好きだった洋服に関わる仕事がしたいという思いから、ファッションスタイリストという道に辿り着いたという橋爪さん。
「実際に好きなことが仕事になったときには、どこか安心しました。好きなことだからこそ、困難があっても頑張れています。今もその気持ちは変わらず、楽しく仕事ができています。」と橋爪さん。
お話を伺う中で、松坂屋の「次の世代まで」を大切にする社風が見えてきました。
従業員の方が育児をする際にも、周囲の理解が得やすい環境なのだそう。
橋爪さんが育児をされていた際にも、時短勤務や土日休みなど柔軟な働き方ができたそうです。
店内についても、親子で一緒に立ち寄りやすい工夫が施されています。
取材したフロアを観察してみると、婦人服コーナーのすぐ隣に子供服コーナーがありました。
リニューアルによって、子供服売場と婦人服売場がワンフロアになり、子どもや孫と一緒に親御さんやおばあちゃんも買い物を楽しみやすくなったとのこと。
今回伺った「ONWARD CROSSET SELECT」も、ベビーカーでもスムーズに通れるほど、広い通路が確保されています。
親子3世代でいらっしゃるお客様も多いそうで、松坂屋、そして店舗のファンが何世代にも渡って引き継がれている印象を受けました。
伝統を大切にしながらも時代に合わせてアップデートする姿勢こそが、松坂屋が長年愛され続けている秘訣なのではないでしょうか。
——お客様から言われて嬉しかった言葉はありますか?
橋爪さん:
仕事を始めて間もない頃は、無我夢中で必死に接客していました。ある日、お客様が帰り際に「これが欲しいから買うんじゃなくて、あなたが熱心に勧めてくれたから買うことにしたのよ」と言っていただいたとき、「あ、販売接客ってこういうことなんだ」と、身が引き締まる思いと同時に、とても励まされたのを覚えています。
橋爪さんは、今でもそのお客様の顔を覚えているのだそう。
ネットでなんでも物が買える時代になり、実店舗はあまり必要ないと思われがちですが、人からものを買うとはそういうことなのだと感じられたそうです。
「想いが伝わったとき、やっててよかった、伝えられてよかったと思います。」と橋爪さんは語ります。
——最後に、働くことについて、学生へアドバイスをお願いします。
橋爪さん:
大変なこともありますが、誰か(何か)のために自身ができることを少しずつ増やしていけるよう悩みながらも歩みを進めていけば、その先できっと、ひとりでは経験できないような喜びや素敵な出会い、自分の成長した姿に出会えると思います。恐れず、感謝を忘れず、楽しんでください。
取材を終えて
橋爪さんへのインタビューを通じて、人とコミュニケーションを取るうえで大切なのは「真摯に想いを伝える姿勢」であると教わりました。
これまで多くの仲間やお客様と向き合ってこられた橋爪さんだからこそ伺える話を聞くことができて、大変貴重な機会になりました!
橋爪さん、このたびはお時間をいただき、ありがとうございました!
《今回のゲスト》
松坂屋名古屋店 本館5階
ONWARD CROSSET SELECT 店長
橋爪 亜香子さん(左)
最近生まれた孫の成長と
25年来の親友と過ごす時間が何よりの楽しみです。
ライター:名古屋大学 むーる
百貨店の新たな魅力をお届け!
愛知の学生が広報(アンバサダー)となり
松坂屋名古屋店で働く人やコトをご紹介いたします。