【WEBどらま松坂劇場】<南三郎と浴衣ショッピング♪ 〜元気になりたい貴方に〜>
私
「はあ〜……」
先月彼氏と別れて未だにため息がとまらない、ある日の午後。
推し活がキッカケで知り合った高校生・南三郎くんが買い物に誘ってくれた。南三郎くんはいつも元気いっぱいでキラキラしてて、弟みたいな可愛い子だ。
南三郎くんは私を元気づけようとして買い物に誘ってくれたのかも。5歳も年下なのに、しっかりしてる!私もしっかりしなきゃね!
松坂屋名古屋店の南館入り口で待ち合わせしていると、私を呼ぶ声が聞こえた。
振り向くと、爽やかな浴衣姿の南三郎くんが手を振りながら歩いてきた。
私
「南三郎くん浴衣!?かわいい!」
南三郎
「えへへ!お姉さんも一緒に浴衣着る?」
南三郎くんは南館1階の特設浴衣売場を指さしていた。かわいい浴衣がたくさんありそうだけど。
私
「私はいいよ。
ほら、着てでかける予定も当分ないし?」
南三郎
「えーっ。予定なんて作っちゃえばいいんだよ!
はやく次の恋に向かおうよ!ねっ」
南三郎くんが急に駆けだした。
無邪気な笑顔で「こっちこっち」と手まねくのを見ると、しかたないなあって思っちゃう。
浴衣売場に着くと、南三郎くんはさっそくあれこれ物色し始めた。
ハンガーを手に取っては私にあててくる。
南三郎
「お姉さん、これは?」
私
「ちょっと可愛すぎるかな?」
南三郎
「じゃあ、こっちは?」
私
「うーん、ちょっとクールすぎるかも。
……!」
ふと、一着の浴衣が目に止まった。
油絵っぽいタッチの花々が咲き乱れる浴衣。鮮やかで可愛い。
見惚れていると、南三郎くんがひょこっと顔を出した。
南三郎
「それ、かわいいね!
お姉さんに似合いそう!」
私
「うん。でも、私にはハデすぎるかなあ……」
「そんなことないよ」と言う南三郎くんと押し問答していると、店員さんがやってきた。
店員
「カラフルで可愛いですよね」
南三郎
「うん!絵の具で大胆に描いた!って感じもするね」
店員
「ええ。ちりめん生地に色を重ね合わせて描かれているのでとても華やかですよね。
この浴衣は『もっと自由にカッコ良く』をテーマにデザインされたんですよ。」
────もっと自由に、カッコ良く。
その言葉がすっと私の中に入ってきた。
南三郎
「決めた!!
この浴衣にしよー!」
◇◇◇
南三郎くんに背中を押されてお会計を済ませて、さっそく南館8階のフィッティングルームで着替えた。
浴衣なんて自分で着たことはなかったけど「浴衣 簡単 着付け」で検索して出てきた動画を見ながら、なんとか20分くらいで着ることができた。
ハデハデしくならないか心配だったけど、「帯を黒にすると上品で大人な雰囲気がプラスされますよ」という店員さんのアドバイスどおり、大人かわいいコーディネートになった。
私の浴衣姿を見て、南三郎くんは大袈裟なくらい褒めてくれた。ちょっと嬉しい。
店を出て、すぐそばの公園のベンチに隣り合って座った。
南三郎
「はいっ、レモネードどーぞ!」
私
「えっ、ありがとう」
レモネード バイ レモニカのレモネードを差し出された。
着替えている間にドリンクを買ってきてくれるなんて。まだ高校生なのに気がきく子だなあ。
さっそく一口飲むと、ひんやりさっぱりして美味しい。
飲んでいるうちに、お酒でもないのに本音が出てくる。溢れてくるのはやっぱり真新しい失恋の記憶だ。
私
「あーあ。このまま結婚できるかな?なんて思ってたのに。
失敗しちゃったなあー」
南三郎
「失敗じゃないよ。
お姉さんは僕とお祭りに行ったり、いろんなところに遊びにいくんだから。」
私
「南三郎くんと?」
南三郎
「うん!僕、りんご飴食べたいんだ。
一緒に行こ?」
キラキラした目に至近距離で覗きこまれて、息をのんだ。
でも、私は年上で大人ですから。簡単にときめいてたまるもんですか。
私
「……、ええー……」
あえて嫌そうな顔をして渋ってみた、瞬間、
私
「ひゃっ!?」
冷たい!
レモネードを頬に当てられた!?
南三郎
「お姉さんのびっくりした顔ゲット♪」
南三郎くんのスマホに驚いて変な顔をした私が写っている。
私
「ちょっと!消してよー!」
スマホを取り上げようと伸ばした手を、ぎゅっ、と南三郎くんに握られた。
……記憶していたのよりも大きな手だ。
めんくらっていると、にこっと笑われた。もう、本当に自由なんだから。
ふと、この浴衣のテーマを思い出した。『もっと自由にカッコ良く』かあ。
南三郎くんは自由だ。かっこいいというよりは可愛い、だけど。
……一緒にいたら私も少しは南三郎くんみたいに自由になれるかな?
南三郎
「えへへ。
お姉さんと行くお祭り、楽しみだなあー」
南三郎くんは私の片手を捕まえたままレモネードを飲んでいる。
私も捕まえられたままレモネードを飲み干すと、甘酸っぱさが胸に広がって、青春に後戻りした気分になってきた。
……私ももう少し青春を続けてみようかな。
眩しいくらいの陽射しの中で、気まぐれにそっと手を握り返した。
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体、松坂南三郎とは関係ありません。
白地に、色鮮やかな花模様が散りばめられたゆかた。パッと目を惹き、身に纏うだけで可愛らしい雰囲気に。
「もっと自由にカッコ良く」をテーマに、綿縮緬生地に色を重ね合わせ、油絵風で花園を表現しています。
ゆかた〈ひでや工房〉税込49,500円、半幅帯 税込19,800円
※下駄、かごバッグはイメージです。
〈レモネード バイ レモニカ〉
南館2階 KiKiYOCOCHO
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2022’ MATSUZAKAYA YUKATA COLLECTION(松坂屋のゆかた)
6月22日(水)→7月25日(月)
松坂屋名古屋店
南館1階 オルガン広場
営業時間:10時〜19時
※最終日7月25日(月)は10時〜18時
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