その三十三 創業370年記念催事で大躍進!
#松坂屋ヒストリア小話 その三十三
昭和56年松坂屋は創業370年記念催事が奏功し、名古屋店が初の年間売上高1千億円を突破。
昭和55年5月、松坂屋の第4代社長に伊藤洋太郎(後の次郎左衛門祐洋)が就任した。翌56年に迎える創業370年という、わが国の商業史上の一大エポックを控えての創業家嫡男の登場であった。当時、百貨店業界では「激動の80年代」を合言葉に、熾烈な企業間競争、業態間競争が各地で繰り広げられていた。こうした厳しい環境への対応に、47歳という若きエースが託されたのである。新社長の登場に勢いづいた松坂屋は、昭和56年1月から370年記念の大型商品催事「謝恩特別大廉売」を、関係会社の横浜松坂屋、山形松坂屋を含めた全国12店舗で一斉に開始した。なかでも基幹店の名古屋店では、超大判(B1判)の折込チラシを100万部発行し、大々的に商品、価格を訴求した。この「謝恩特別大廉売」は商品催事としては空前の売上高を記録し、名古屋店では初の年間売上高1千億円を突破するなど、全店で大きく売上を伸ばした。
創業370年記念ポスター
【新聞記事】名古屋店1千億円突破(中日新聞1982年1月6日付)
松坂屋の売上推移(昭和52年度~56年度)