その三十八 「いとう呉服店」から「松坂屋」へ!
#松坂屋ヒストリア小話 その三十八
大正14年いとう呉服店は栄町から南大津通りへ移転・新規開店、これを機に「松坂屋」に名称変更した。
1910年(明治43)栄町にデパートメントストアを開業した「いとう呉服店」(名古屋店)は、その後、増加する顧客と商品により手狭となったため、栄町から300m南の南大津通り(現在地)への移転を計画し、1925年新築開店した。このとき土足入場も打ち出した。新店舗は耐震耐火の鉄筋コンクリート造りの地上6階・地下2階、総面積20,000平米で、当時は名古屋城と比肩する高層建築物であった。そして名古屋店はこの南大津通りへの移転を機に、新しい商号「松坂屋」を掲げ華々しくオープンした。「いとう呉服店」という名称には約300年の伝統があり、とりわけ名古屋市民には「いとうさん」と呼ばれ親しまれた店名ではあったが、名実ともに百貨店にふさわしく、同年全店で商号を統一し「株式会社松坂屋」が誕生した。
南大津へ移転した名古屋店
移転前の栄町にあった「いとう呉服店」
新築開店ポスター名古屋店(1925年)
名古屋店店内案内図(大正14年)